ウィーンのお菓子

「ウィーン菓子って何ですか?」
よくそのような質問を受けます。

「あのう、ザッハトルテ…ご存知ですか?」と聞くと、
「ああ、あの甘いチョコレートケーキですね。生クリームをつけて食べる」という答えが返ってきます。

そう 、日本では知名度が低く、常にNo. 1の王座に君臨するフランス菓子を
羨望の眼差しで見ているお菓子…と私もウィーンに住むまではそう思っていました。

ところがこのウィーン菓子、知れば知るほど恩師や友人達が自慢気に話すのも
ごもっとも。後々分かってきました。
では私達もハプスブルク帝国の時代にタイムトラベルをしてみましょう!

第一次世界大戦(1914~1918)が終わるまでの600年あまり、オーストリアは自他共に認めるめるヨーロッパ最大の帝国…これがハプスブルグ家でした。
政略結婚により領土を拡大していき(と言うよりはあまり戦術に長けていなかったようですが、そのお話は後日に。) 全盛期にはヨーロッパの殆どをその手中に収めていました。
そうなると当然のことながら 民族も多種多様。そして彼らが携えてきた文化、芸術、
もちろん食文化然り。多義にわたり異文化をうまく取り入れ それをさらに洗練させて独自の文化を揺るぎないものに築き上げていきました。
まあ良いとこ取りの感も歪めませんが

ウィーン菓子もご多分にもれず 、当時の栄華を偲ばせるものが沢山ありますが、現在の形を成したのは19世紀に入ってから、と言われています。

それでザッハトルテ以外にどんな物があるのか、ですって?
それは後々お話いたしますね。