ウィーン菓子No.1 グーゲルフプフ(クグロフ)


初めにグーゲルフプフのお話です。

ちょっと言いにくい名前ですが、日本ではフランス式にクグロフ…といった方が通りが良いかもしれませんね。  名前の由来はその昔、市場で働く女性の被り物からきた、と言われています。
そしてドイツでは「ナプフクーヘン」と言います。
「ちょっと待って。 ドイツもオーストリアもドイツ語圏じゃない?」
そう、なかなか鋭くていらっしゃる。
確かに両国とも、(そしてスイスの一部も)ドイツ語を話しますが,オーストリアには…というよりウィーンには「ヴィーンナリッシュ」という方言があります。  ですから同じ意味の言葉でも全く違う呼び方があったりしますが、これらは
「戦争 」という悲しい歴史的背景から生まれたものでもありますが、
そのお話はまたの機会にいたしましょう。

話を元に戻します。
グーゲルフプフはあのマリー・アントワネットの大好物。
彼女がウィーンからルイ16世の元に嫁いでからフランスの各地に伝わったそうです。
ですからクグロフの元祖がウィーンのグーゲルフプフ なのですが、
フランスのそれはイーストを使ったものが大半なのに対し、ウィーンの物は
純粋なバター生地が主流です。
又グーゲルフプフほどレシピの数が多いウィーン菓子もないかもしれません。
写真のものは オレンジ風味ののグーゲルフプフ。
その他、チョコレートと胡桃が入ったショコラーデングーゲルフプフやシナモンが沢山入
ったスパイシーなツィムトグーゲルフプフなどなど…そのレシピの数は優に100以上はあります。

ウィーンの家庭を訪問すると、必ずと言って良いほどその型が鎮座している、
愛すべきケーキのひとつと言えます。