カルディナールシュニッテン


こんにちは。   急に春らしくなりましたね。

今年のオースターは、 (イースター    、復活祭  ) 4月1日。
これはクリスマスと違って移動歳時記のため少しややこしいですが、キリスト教徒にとっては1番大切な祭事。
オースターが近づくと、ウィーンの街のそこかしこにオースターマルクト(イースターマーケット)が立ち並び、色とりどりのオースターアイ
(イースターエッグ)が、道行く人々の目を釘付けにします。
そして長い冬の眠りについていた花や木々は春の訪れを待ちわびていたかのように一斉に咲き始め、ウィーンっ子達の顔にも笑みが戻って
きます。
友達に、春になると何が楽しみかたずねたところ、「そりぁ、ブーツが脱げることよ」
足も衣替えというところでしょうか。

さて、オーストリアは国民の大多数がカソリック教徒。
そのため宗教的なお菓子も少なくありません。

今回お話しする  カルディナールシュニッテンもそのひとつ。
メレンゲとスポンジ生地を交互に絞り出したものですが、これはカソリック教会の色に由来しています。
「でもこの配色は…」と、気がついたあなたは博学ですね。
そう、この白と黄色のストライプは カソリックの総本山、バチカン市国と同じもの。
バチカンのそれは、白のところに交差した鍵と、中央には法王の冠が三重に施され、国旗としては珍しい正方形です。
オーストリアのようなカソリックの国々では 、聖体の祝日や、教皇、司教が訪れるような時には教会にこの旗が掲げられます。
その時は、白と黄色の  長方形ですが…

さて、このカルディナールシュニッテンは、1933年の「カソリックの日」を記念してウィーンの王室御用達のひとつのケーキ店、ハイナーが考案したものです。
このお店のものは生地と生地の間にアプリコットジャムをぬったものですが、他にもキルッシュヴァッサー風味のクリームや、コーヒー風味のクリームなど、お店によってお味はさまざま。
いずれにしても、ケーキのお味に関しては一歩も譲らないウィーンっ子の舌をもうならせる逸品です。