ショーメ展

こんにちは。
どなたにお会いしてもついつい「凄い暑さですね」…が常套文句になっているこの夏。
愛犬の散歩以外は外出するのが億劫になってしまいがちな私ですが、ちょっと
気を取り直して「ショーメ展」を見に行きました。

ショーメ  と聞くと、私は宝飾よりも先にショパンを
思い出してしまいます。
1780年創業のショーメは、現在では老舗が立ち並ぶ、パリ 、バンドーム広場12番にありますが、
もともとこの建物はアパルトマン。
ショパンは現在ショーメの店舗がある二階に住み、そして彼の終の住処となった所です。
ここで作曲されたマズルカop,68は不治の病に伏して、メランコリックな旋律の中にも希望のかけらが見え隠れし、短い曲ながらもその時の彼の心が凝縮されているように思えるショパン絶筆の曲。

すみません。また話が逸れてしまいましたので、元に戻しましょう。

ショーメが創業当初から大切にしていたテーマは「自然」。
特に最も古いモチーフのひとつに麦の穂があります。
これは繁栄や豊かさを象徴するもので、オーストリアでも新年やイースターに良く玄関ドアに飾るのを見かけます。
普段見過ごしがちな自然の神々しさを宝飾で再認識させられるなんて…と思いますが、とにかく「美しい」のひと言につきます。

ただ今回の作品の中で私の目を釘付けにしたのは「ホープカップ」。
これはカラーストーンを用いてギリシャ神話の「ペルセウスとアンドロメダ」を題材にして作られた 秀作です。
今でもあの作品が私の脳裏から薄れることはありませんので、機会がありましたらじっくりとご覧下さい。

さて、ショーメに魅了された女性の中で忘れてはならない人がいます。
   マリーアントワネット。
彼女はリボンをモチーフとした宝飾が、大のお気に入りでした。

ギリシャ時代から愛されてきたリボンのいわれは「愛」「豊かさ」「魔除け」そして解けにくいところから、
「絆」を象徴していたそうです。
そして18世紀のヨーロッパではリボンが大流行。
宮廷の女性達もこぞってリボンをつけていたそうです。    もちろんマリーアントワネットも。

でも皮肉なものですね。
数奇な運命に翻弄された彼女の運命のリボンは、革命と共に少しずつほどけてしまったのですから。

                それではまた。