先日三菱一号館で、「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展」を
見てきました。
1871年にスペイン、グラナダに生まれたフォルチュニ 。
彼は100%の絹に繊細なプリーツを施したドレス…デルフォス…の考案者で
一世を風靡したデザイナーです。
とは言っても、彼の才能はデザイナーとしてだけに留まらず、絵画、版画、写真、舞台美術、染色家、 等々 幅広い才能を持った総合芸術家です。
彼はギリシャ彫刻の衣装に着眼し、デルフォスを考案。 特に裾の部分はヨーロッパの
大理石の螺旋階段を思わせる美しさです。
そして色彩も神々しいほどの美しさ。 私は「色のマジシャン」と、
勝手に名ずけてしまいました。
デルフォスは、女性の身体のラインに自然に沿い、 その動きによって美しさは数倍にも輝いたため、当時の女性達からは圧倒的な支持を受けていたようです。
彼はこのデルフォスで特許を取得しましたが、工程の際に門外不出としていたため、
作り方はあっても不明な点が多く、再現ができない状態が続いていましたが、
2017年についに復元に成功。
でも、もしも今、彼がこれを見たらなんと言ったでしょう。
永遠のヴェールに包まれているのも これはまた神秘的では…
と、思いますが。
10月 6日までやっています。