ブフテルン

こんにちは。

今日はブフテルンのお話しの続きです。

ハプスブルク帝国の最盛期に ボヘミアのコック達と共にウィーンの地をふんだブフテル。
  余談ですが、ブフテルは女性名詞ですので ここからは「ミス・ ブフテル」と、呼びますね。

ミス ブフテルはウィーンでもあっと言う間に人気者になり、ウィーンっ子達の間でも
ブフテルなしの生活は考えられない…と言うほどになりました。

「やっぱりボヘミアのスィーツは、皆のハートを鷲づかみだわ」、と ミス ブフテルはほくそ笑んでいましたが、そこには秘密が隠されていました。

ブフテルは発酵させた生地で作ったスィーツ。
これに必要なのは、そう、酵母です。
その酵母をぶどうの絞り汁(モスト)をもとに偶然作り上げたのが、古代エジプト人。

これがヨーロッパに広まったのはそれから数千年後の話ですので、たとえ「偶然の産物」、といえども先人達の英知には脱帽します。

あっ、ここでミス ブフテルから皆さんにお伝えしたいことがあるそうです。

「発酵技術は当時のボヘミア人の十八番。
ブフテルだけでなく、ゲルムクヌーデルやヌースキプフェルと言った今では「ウィーン菓子」と呼ばれている物の中には 私達の恩恵にあやかった物が数多くあることを、良く覚えておいて下さいね」
…なるほど。
 
「ミス ブフテル、今度は私達からも質問があります。  ブフテルとドゥカーテン ブフテルの違いは何ですか」
「はい。  ブフテルは中にジャムを入れて焼いたもの。  焼きあがったら粉砂糖をたっぷりかけます。
 ドゥカーテン ブフテルは、ブフテルを少し小さめにして、中にはジャムを入れずに焼き、出来上がったらバニラソースをかけて頂きます」

「でも何で 生地を小さくするんですか」
「ドゥカーテンと言うのは19世紀までヨーロッパで流通していた金貨のこと。それに似せたデザートで、
当初は王侯貴族のため…と言う感じがしますね」
 
「なるほど。ありがとうございます。
ここで ミス ブフテルに教室の方々から送って頂いたブフテルンの写真を紹介して頂きます。」
「みなさん、とってもお上手にできていますね。
では初めはウィーンが大好きと言うミセスS
の作品。出来立てっていう感じがして美味しそう」 「つぎはピアノがお得意なマダムMのブフテルン。丸型も素敵ね。マリア・テレジアが喜びそう。」 「その次はフラダンスがお得意なミセスTの作品。キラキラ輝いて素敵ね。」「そして最後はパン作りがお上手な、マダムI.。マリー・アントワネットの朝食のような
セッテイングがいいわ!   みなさん、私を可愛らしく作って下さって有難うございました。
また 皆さんにお目にかかれます日を楽しみにしています」
 
                 それでは また。